
NINJAとは
NINJA(Near-Infrared and optical spectrograph for Joint Astronomy)は、すばる望遠鏡向けに開発を進めている新しい広帯域分光観測装置です。赤外ナスミス焦点に設置され、レーザートモグラフィー補償光学(LTAO)システムと組み合わせることで、回折限界に近い高空間分解能の星像を分光観測します。これにより、波長分解能3000から4000の中分散分光において高い感度を実現することを目指しています。
NINJAの最大の特徴は、可視光と近赤外線を同時に観測できることです。可視光(0.4から0.9 μm)と近赤外線(0.83から2.5 μm)を一度に分光することで、観測効率を大きく向上させるとともに、突発天体の時間変化を広い波長域にわたって捉えることが可能になります。
また、赤外ナスミス焦点に新たに導入された光路切替機構により、観測装置の交換を行うことなくNINJAを用いた観測を開始できます。この特徴を活かし、重力波天体などの突発現象を対象とする時間領域天文学やマルチメッセンジャー天文学への貢献を目指しています。
開発状況
NINJAは2台の分光器による可視光・近赤外線同時分光を最終目標としています。近赤外線分光器は2021年度に開発を開始し、2026年のファーストライトを目指して開発を進めています。さらに2026年度からは可視分光器の開発もスタートし、可視光から近赤外線までをカバーする広帯域同時分光システムの実現を目指しています。
開発体制
NINJAは国立天文台先端技術センターとの共同開発研究として開発を進めています。学生や研究者の皆さまの見学・交流を歓迎しておりますので、ご興味のある方はお気軽にご連絡ください。
謝辞
本研究は以下の科研費の助成を受けて実施されています。
- 科研費基盤研究(S)「高感度広帯域近赤外線分光で読み解く重力波源における元素合成」(JP21H04997)
- 科研費基盤研究(S)「可視光と近赤外線の同時分光で解き明かす重力波源における元素合成の全容」(JP26K21726)
また、NINJAの開発および試験は、国立天文台先端技術センター共同開発研究として同センターの設備を利用しています。さらに、すばる望遠鏡への設置および観測準備にあたり、国立天文台ハワイ観測所のスタッフの皆さまから多大なご支援をいただいています。
